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side:攻
目が覚めると、恋人と抱きついたままだったのに気付く。
恋人の腕が自分の背中にしっかりと回っているのを知り、愛しさが込み上げる。
お互い、焦がれていたんだと思う。
触れてしまえば、我慢など出来ない。
一晩中、互いの温もりを味わっていた。
(――そういえば・・・)
ふと、恋人が初めてここに来た時のことを思い出す。
警戒してか遠慮してかは分からないが、ベッドで寝ることを嫌がりソファーで寝ていた時期があった。
いつでも起きれるように神経をピリピリさせて丸まる姿は、まるで野生の猫のようだと思ったものだ。
そんな姿を見て、柄にもなく抱きしめたくなった。
抱きしめて、大丈夫。独りじゃないよ。恐くないよ。と言いたかった。
あの時から、自分は恋人に惹かれていたのかもしれない。